旅するリサーチ・ラボラトリーでは、少し変わった趣向ではあるが、デザイナーが旅に同行している。これはリサーチ・トリップというものの特性上、普通にアウトプットしただけではこぼれ落ちてしまう「かけら」をアーティストと一緒に共有するためのとても重要な行為である。
なぜならデザイナーは通常は現場を共有することは少なく(それはよく言えば客観性にもつながるのだが)、最終的にデザインされたアウトプットから、追体験するための重要な何か「かけら」のようなものが抜けてしまうことがあるからだ。
しかし、旅というものは多分にして余白や余分なものが入りやすく、むしろそれ自体に面白さや意味があると言っても差し支えがないくらいだと思う。その面白さをなるべくなら生のままに、客観性を持たせて出したいのだが、これが最も難しい…。
毎年、アーティストと四苦八苦の格闘を繰り返しながら、デザインを進めている。しかし、回を重ねるたびに、共有した時間に比例し、それぞれの落とし所が理解できてきている。それは旅という……
何言いたいのかよくわからなくなってきたので、再考。
編集後記
2018年3月16日に行われた「公開録音」イベント、Think Party & Travelingにて収録された「旅・リサーチとデザイン」に関する再考/対談の一部を以下でお聞き頂けます。
出演:丸山晶崇、mamoru、下道基行
「旅・リサーチとデザイン」を再考するポッドキャスト
*「萩原さん」: 本ウェブサイトのウェブデザイナー萩原俊矢氏のこと
*4分45秒〜: ここで紹介している成果物は「プロジェクトアーカイブ#1」を参照下さい